東福寺の三つの木造橋
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紅葉のシーズンになると人がどっと押し寄せる東福寺。紅葉狩りではいつも上位にランキングされています。
一番は永観堂です。
紅葉で名高い洗玉澗(せんぎょくかん)の渓谷を流れる「さんの橋川」には三つの屋根付き木造橋が架かっています。
「さんの橋川」は東山に発し琵琶湖疎水の下をくぐって鴨川に注ぎます。
下流から臥雲橋(がうんきょう)、通天橋(つうてんきょう)、偃月橋(えんげつきょう)です。
臥雲橋は日常生活橋で新聞配達のバイクも通ります。
通天橋は拝観料を払った人だけが通れる橋。
偃月橋は境内の奥の塔頭 龍吟庵(りょうぎんあん)に通じる小ぶりの木橋でいつでも通れます。
少し前まで、渡るのは3人までと言われグラグラしていましたが今はちゃんと補強されていてその心配はありません。
3橋は下流から臥雲→通天→偃月と上流に向かい、雲を経て天を通って月に至る、というイメージだそうです。
ちなみに偃月とは半月のことです。
電灯のなかった昔は、月の明かりが夜のエンターテイメントの大きな要素だったようです。
そんな昔を想像しながら各橋からもみじを眺めると大昔の中に自分がいるような錯覚に囚われます。
東福寺に桜がないのは、絵を描くのが得意だった僧明兆(1352-1431)が時の将軍足利義持(1386-1428)に大涅槃図の納めた褒美として、「桜があると修行僧の心が乱れることがあるので桜の木を全部切って欲しい。」とお願いしたからだそうです。
何か分かります。私も桜が咲くと気持ちがソワソワして、何度も近所の山にコンビニのり弁と缶ビールを持ってお花見に出かけてしまいます。